路上駐車は絶対にいけません
「どうしても駐車できるパーキングがない」というときの最悪の選択が「路上駐車」です。実際に道路を走るとよく見かけるものです。もはやそれが「当たり前」になってしまっていて、自分も「いいのではないか」という気持ちになってしまうかもしれませんが、路上駐車は法律で禁止されています。意味なく禁止されているわけではなく、そこにはしっかり理由があります。
その理由の主たるものが、「邪魔である」ということです。車を運転していて、路上駐車された車両に苛立ったことはないでしょうか。本来は道路であるはずなのに、その車両が占有しているせいで通行に支障が出ているのです。ハザードランプを炊いて一時停車しているのではなく、明らかに「駐車」しているような状態ではそれが長く続くのです。このような遺法駐車車両は「邪魔である」ことに加えて様々な弊害をもたらします。その中のひとつが「視界を奪うことによる交通事故」です。
駐車車両の陰から何が飛び出してくるかわかったものではありません。大人であれば背丈もあり、車の陰に隠れることは少ないのかもしれません。しかし子どもであれば乗用車の陰に完全に隠れてしまうことが多いのです。勢いよく駐車車両をかわして追い抜こうとした途端に、駐車車両の陰から飛びたした子どもとぶつかってしまう、というようなことが起きないとも限らないのです。また、その駐車車両がトラックなどの車高の高い車両であった場合は、その危険は大人にまで及びます。一台の駐車車両で、人命が危ぶまれる事故が起きてしまうかもしれないのです。
そして、それを懸念して遺法駐車車両の付近を走行する車は減速します。道幅の狭い道路であれば、対向車線にはみ出してしまうこともあり、対向車がいればスムーズに追い抜かすことができない場合もあります。そうなると今度は渋滞が発生してしまいます。交通は「流れ」であり繋がっているものですから、その違法駐車車両一台のせいで何キロもの渋滞が引き起こされることもあるのです。そして渋滞の結果、いざというときの緊急車両の通行も妨げられることになります。消防車や救急車が予定通り通行できなくなってしまうことで、さらに危険にさらされる命があるかもしれません。
「たかだか違法駐車」、「駐車禁止切符を切られるのは運が悪いこと」などと考えているということは、それらの可能性を全く考えていない独善的な意識です。ドライバーとして最低といえるでしょう。そのような独善的な運転を繰り返していると、無意識のうちに周囲の車に迷惑を与えていることが多いものですし、また、事故に至る可能性のある危険な局面も多いのではないでしょうか。そう「なるかもしれない」という意識はドライバーにとって基本的な注意の払い方です。それは運転中も車を停めるときも同じです。路上駐車は明らかに人の邪魔になります。
「邪魔になるかもしれない」という次元ではないのですから、行うべきではないのです。緊急避難的に路肩へ駐車することは認められていますが、現在路上駐車をしている人たちのその要件のほとんどが緊急避難には該当しません。路上駐車がただ漫然と「いけないこと」ではなくて、その結果もたらされる重大な事態をイメージできなければ、ドライバーとして「失格」といわざるを得ません。必ずパーキングを探すようにしてください。