パーキングで見知らぬ車にぶつけてしまった!
車の「運転」には「免許証」が必要です。それは、車がいとも簡単に人の生命や財産を脅かす存在になってしまうからであり、危険な乗り物であるからです。その危険な乗り物を正しく乗るための資格が「運転免許証」には込められています。人身事故はもちろん、他の車や公共の設備などに損壊を与えることはあってはいけないのです。それは「保障」しなければいけません。一方、「駐車」という操作が苦手な人は結構多いものです。免許を取得して間もなかったり、自身の車の「車体感覚」がまだうまくつかめていなかったりする方は、最も他の車と接近するタイミングのひとつである「駐車」はとてもきんちょうする 局面だと思います。
そんな駐車で取り回しを誤り、他の車にこすってしまったり、ぶつけてしまうということは、誰にでも起こり得ます。「人が怪我をしなかっただけ幸い」なことで、それだけ自分の運転技術が未熟であると自覚しなければいけないことですが、損害も軽微で人が怪我をしなかったことだけでもまずは安堵すべきことです。ですが、相手の車は確実にキズがついていて、「ぶつけてしまった」という事実は変わりません。それはけが人がいてもいなくても、損壊が目に見えても見えなくても変わりません。自分自身の車がそうであるように、相手の「財産」を傷つけてしまったという事実は覆りません。
ぶつけてしまった瞬間にアナタは「加害者」でもあります。相手がどれだけ戦をはみ出して停めていたとしても、「その場所」に停めようと決めたのは他ならぬアナタであるわけです。その場所ではなく、違う場所に駐車しようと決めていればその「事故」は起こらなかったわけです。そして、その場から黙って立ち去ると「当て逃げ」になってしまいます。免許証を取得する際にも教わったと思いますが、事故の当事者になってしまったら即座に人命の危険を回避し、警察に連絡する「義務」があります。ぶつけたのに逃げる、いわゆる「当て逃げ」はその義務に反する重大な違反行為です。
相手の車がその場に停まっているのですから、警察が到着すれば相手の車のナンバープレートから先方を特定することができます。そして事故記録を作成し、「事故証明」という書類が作成されます。それは相手方へ損害を補償する際に必要なものです。そうです、しっかりとした弁償をするためにも、警察を呼び、記録をとってもらうことは必要なのです。相手が現場、つまり駐車場に戻ってきたら、心からの謝辞を述べます。そして、状況を伝え、自分の過失であることを認めたうえで、損害はしっかりと補てんする旨を伝えましょう。
弁償は実際は保険会社が行うことになります。基本的に相手との折衝や支払いまでを保険会社の担当者が行うという認識で間違いありません。弁済が終了した時点で相手にいくら払ったのか、どのような交渉をしたのか、ということの報告がもらえるはずです。これは「保険があるからぶつけてもいいや」ということではありません。相手に余計な手間を取らせたことは間違いないですし、もし相手が新車だった場合は「修理」という汚点を与えてしまったことになります。車を傷つけるということは、財産を傷つけるということです。自分が逆の立場であれば、きっと腹立たしく感じるのではないでしょうか。